- 【費用相場】100〜160戸規模の直結増圧方式への変更は、数千万円(6,000万〜8,000万円前後)かかるのがリアルな実態です。
- 【業者選びの真実】相見積もりで最安値でなくても選ばれる理由とは?長期の「居ながら施工」を収める対応力と信頼性が決め手になった当社の実例を公開します。
- 【現場のリアル】世帯数が多いほど意見が割れ、理事会での提案から工事完了まで「数年かかる」のが当たり前というマンション特有の実情を解説します。
- 「硬質塩化ビニルライニング鋼管(VA)」の寿命サインや、居住者の負担を減らす「仮設給水配管」の工夫など、プロならではの施工ノウハウがわかります。
【当社の実例公開】給水管更新の費用相場と現場のリアル
マンションの給水設備改修を検討する際、管理組合様が最も気になるのは「費用はいくらかかるのか?」そして「本当に今すぐやるべきなのか?」という点ではないでしょうか。
直結増圧給水方式への変更費用相場
規模や既存設備の配置によりますが、100戸〜160戸規模のマンションの場合、増圧ポンプユニットの新設、高架水槽の撤去・足場設置、共用配管の更新を含め、数千万円規模(例:6,000万〜8,000万円前後)の工事となります。一時的な出費は大きいですが、将来のタンク維持費や修繕費を考慮すると、コストメリットは十分にあります。
【当社の実例】一番安い業者が選ばれるとは限らない
複数の業者から相見積もりを取得した際、費用だけで決めるのは危険です。今回の160戸の現場でも数社によるコンペとなりましたが、実は当社の見積もり金額は一番安くはありませんでした。それでも、「安くはなくても、提案内容の質や、居住者への配慮を含めてこの会社に任せたい」と選定いただきました。長期にわたる「居ながら施工」では、単なる金額以上に、現場を無事に収める「対応力」と「信頼性」が組合様にとっての決め手となります。
【現場のリアル】工事の決定には数年かかるのが当たり前?
また、いざ更新の必要性を感じても、すぐに工事が決まるわけではありません。実際、このマンション様でも、理事会とは別に「修繕委員会」が立ち上がり、ご提案から実施まで数年を要しました。
理由は、大規模修繕やインターホン更新など他の工事との「予算の兼ね合い」です。「昨今の物価高騰でこれ以上値上がりする前に早くやった方がいい」という意見と、「まだ今の配管で持つから先延ばしにしたい」という意見が交錯し、世帯数が多いほど合意形成は難航します。専門知識を持つ方がリードできればスムーズですが、そうでない場合は、私たちプロが客観的な劣化診断データをご提示し、議論をサポートさせていただきます。
築40年マンションで給水管(VA管)の更新が必要な理由
そもそもなぜ、数千万円の費用をかけてまで給水管の更新が必要なのでしょうか。
築30〜40年を迎えるマンション(昭和50年代〜60年代築)では、給水管に「硬質塩化ビニルライニング鋼管(SGP-VA等)」が使用されているケースが多く見られます。この配管は管の内部が塩化ビニルでコーティングされていますが、継手(ジョイント)部分の金属が露出していることが多く、経年劣化により継手部分から腐食(錆)が進行します。
放置すると、いわゆる「赤水」の発生や、錆こぶによる水圧低下、最悪の場合は漏水事故に繋がります。当社の現場でも、「ある日突然、下の階の天井から水が漏れてきた」というトラブルで急行するケースが後を絶ちません。被害が拡大する前に、計画的な共用給水管の更新を行うことが、資産価値を維持する上で不可欠です。
高架水槽から「直結増圧給水方式」へ変更するメリット
給水設備の更新にあたり、従来の「高架水槽方式」から「直結増圧給水方式」へ変更するマンションが増えています。都内の約160戸規模のマンション(9階建て等)でも、多くはこの方式への移行をご提案しています。
直結増圧給水方式の主なメリットは以下の通りです。
- 衛生面の向上: 水槽を経由せず、水道本管から各住戸まで水を直接届けるため、水が滞留する時間がなくなり、水道局から送られてくる新鮮な水をそのまま使用できます。
- 維持管理費の削減: 高架水槽や受水槽の定期清掃・水質検査の義務がなくなり、長期的にはメンテナンス費用が大幅に削減されます。
- スペースの有効活用: 不要になった受水槽や高架水槽を撤去することで、駐輪場など別の用途にスペースを活用できます。
【現場の実例】居住者の負担を最小限にする工法の工夫
マンションにおける給水設備工事は、居住者様が生活している中での「居ながら施工」となります。そのため、施工中のストレスをいかに軽減するかがプロの腕の見せ所です。
例えば、長期間の断水は生活に多大な支障をきたします。当社では、新しい配管を本稼働させる前に「仮設給水配管」を敷設し、各住戸への連続的な給水を確保しながら工事を進める工夫を行っています。断水作業は必要最小限に留め、少なくとも7日前には掲示やチラシで丁寧な周知を徹底しています。
よくある質問(Q&A)
Q. 理事会で提案してから、実際に工事が始まるまでどのくらいの期間がかかりますか?
A. マンションの規模によりますが、100戸以上の場合は数年がかりになることも珍しくありません。大規模修繕など他の計画との予算調整や、組合員間の意見集約(早期実施派と先延ばし派の調整)に時間がかかるためです。修繕委員会を立ち上げ、じっくりと情報を集めて比較検討されることをおすすめします。
Q. 給水管の更新工事中、トイレや水仕事はまったくできなくなりますか?
A. 完全な断水は、配管の切り替え作業時の数時間など、最小限に抑えます。仮設給水システムを構築するため、工事期間中ずっと水が使えなくなることはありませんのでご安心ください。
Q. 高架水槽を撤去した後の増圧ポンプは、停電時どうなりますか?
A. 直結増圧ポンプは電気で動くため、停電時はポンプが停止し、中高層階では水が出なくなる(または水圧が著しく下がる)デメリットがあります。そのため、万が一の停電に備えて、各ご家庭での日常的な水の備蓄(飲料水や生活用水など)をお願いしております。
まとめ:給水設備改修は実績ある専門業者へご相談を
築古マンションの給水管更新や直結増圧方式への変更は、建物の寿命を延ばし、安全な水を守るために避けて通れない大規模修繕です。費用面だけでなく、居住者様への配慮など、高度な専門知識と施工管理能力が求められます。
「うちのマンションの配管はそろそろ限界かも?」「給水方式を変更した場合の具体的な費用が知りたい」など、記事では書ききれない個別事情やご不安がございましたら、ぜひお気軽にプロの給排水設備業者である当社にご相談ください。建物の図面や現地調査に基づき、最適な改修プランをご提案いたします。
※本記事は、過去の実績や一般的なデータを基に構成したモデルケースです。特定の物件・団体・工事案件を示すものではありません。