みなさん、新一万円札の顔にもなっている渋沢栄一という人物はご存じだと思いますが、
彼の人物像を簡単に紹介すると、日本の近代経済の父と呼ばれ、多くの企業の設立に尽力し、
「道徳経済合一説」というものを唱え、私利私欲だけでなく公益も重視する考え方を提唱しました。
渋沢栄一という人物像を想像したとき、
彼はまさに日本の近代化という大きな建物を支える「大動脈」であり「基幹配管」のような存在だったのではないでしょうか?
彼の提唱した倫理観や経済原則は、まるで清流が滞りなく流れるように、
社会全体に健全な富と秩序を供給するための「送水システム」のように思えます。
また、彼が設立に関わった多くの企業や組織は、それぞれの役割を果たす「枝管」や「バルブ」として機能し、
国家というシステムの効率的な運用を可能にしたのではないかと思います。
困難な局面においても、彼は問題の根本原因を見つけ出し、
詰まりを解消する「メンテナンス」の役割を果たし、社会の「排水システム」が滞らないように尽力し、
彼の先見性と行動力は、まさに未来を見越した「配管設計」そのものであり、
後の世代が安心して使えるインフラを築いたのだと思います。
彼は、単なる一箇所の設備ではなく、国家という巨大なシステムの給排水全体を設計管理し、
自らもその一部として機能した極めて重要で欠かせない人物だったのではないでしょうか。
そんな彼の残した言葉に、このような格言があります。
『夢なき者は理想なし。
理想なき者は信念なし。
信念なき者は計画なし。
計画なき者は実行なし。
実行なき者は成果なし。
成果なき者は幸福なし。
ゆえに幸福を求むる者は夢なかるべからず。』
今の私の立場を照らし合わせ、この格言に当てはめるとするならば、
私の役割とは、チーム全体が「夢」から「幸福」へと繋がるように導く事なのかと思います。
夢(ビジョン)を持つ:
部門やチームの明確なビジョンを持ち、それをメンバーに共有することで、共通の目標意識とモチベーションを醸成する。
理想(目標)を設定する:
ビジョンを実現するための具体的な目標(理想)を設定し、達成可能なロードマップを描く。
信念(コミットメント)を示す:
設定した目標達成に対する強い信念を持ち、困難に直面しても揺るがない姿勢をメンバーに示す。
これにより、チーム全体の士気を高める。
計画を立てる:
目標達成のための具体的な行動計画を策定し、資源配分や役割分担を明確にする。
実行を促す:
計画に基づいた行動をメンバーに促し、進捗を管理し、必要に応じて支援を行う。
成果を出す:
計画と実行を通じて、具体的な成果を追求し、チームのパフォーマンス向上に貢献する。
幸福(達成感)を共有する:
成果を出すことで得られる達成感や喜びをメンバーと共有し、次の挑戦への意欲を高める。
このような事が求められ、実行しなければいけない立場なのだと思います。
そして今の私が、もう一段階ステップアップするのであれば次のようなことを想像します。
夢(企業・部門全体のビジョン)を持つ:
担当部門だけでなく、企業全体の将来を見据えた壮大なビジョンを描き、それを組織全体に浸透させる役割を担う。
理想(戦略的目標)を設定する:
描いたビジョンを実現するための、より長期的な視点での戦略的目標や部門間の連携を含む理想像を具体的に設定する。
信念(経営理念・行動規範)を示す:
設定した目標達成への強い信念に加え、企業の経営理念や行動規範を体現し、部門メンバーの模範となることで、組織全体の倫理観と士気を高める。
計画(部門横断的な施策)を立てる:
部門ごとの計画を統合し、部門間の連携や資源配分を考慮した、より広範で長期的な施策を立案する。
実行(組織全体の推進力)を促す:
策定した施策が各部門で円滑に実行されるよう、部門間の調整を行い、必要な権限委譲や支援を通じて組織全体の推進力を高める。
成果(企業価値の向上)を出す:
部門全体の成果を最大化し、それが企業全体の業績向上や企業価値の向上に直結するよう責任を負う。
幸福(組織全体の成長と貢献)を共有する:
組織全体で達成した成果を分かち合い、メンバーの成長と社会への貢献を実感できる環境を創出することで、持続的なモチベーションと組織の活性化を促す。
このように、個々の業務執行を監督するだけでなく、組織全体の方向性を示し、
メンバーがそれぞれの役割を通じて企業目標達成に貢献できるように導く、
より広範で戦略的な役割を担わなければならない、そんなことを意識していこうと思います。
MI