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エコブログ
2025.06.27

便利なフッ素

焦げ付かないフライパンや、雨を弾くジャケット。私たちの暮らしに欠かせないフッ素加工製品ですが、
その「便利さ」の裏で、地球環境への影響が心配されています。
今回は、フッ素と環境の少しシビアな関係について、紹介いたします。

「化学物質」PFAS(ピーファス)とは?

フッ素加工製品に使われる有機フッ素化合物はPFASと呼ばれ、非常に強力な結びつきを持つ化学物質です。
この強さこそが水や油を弾く性能の源ですが、同時に、自然界でほとんど分解されずに残り続けるという問題も抱えています。そのため、PFASは「永遠の化学物質」とも呼ばれ、土壌や水を汚染し、私たちの体内にも蓄積するリスクが指摘されています。
特に有害性が懸念されるPFOS(ピーフォス)やPFOA(ピーフォア)といった物質は、すでにEU(欧州連合)などで厳しい規制が始まっており、世界的に使用を減らす動きがあるようです。

環境負荷を減らすため、フッ素を使わない新しい技術が生まれています。
調理器具: セラミックや鉄製のフライパンなど
撥水加工: PFASフリーの新しい撥水技術など
食品包装: 海藻由来で自然に還る耐油紙など

こうした製品を選ぶだけで、便利さと環境への配慮を両立できます。
実は、私が愛用しているゴアテックスのジャケットも、PFASが使われていた頃の製品でした。
また、企業側もPFASの排出量を削減したり、環境負荷の少ない製造方法へ転換したりする努力を進めています。

フッ素加工製品の利便性の裏には、環境への影響があることを知っておくことは大切です。
私たち一人ひとりが環境に配慮した代替製品を選ぶことが、より良い未来へとつながります。

近年、環境への影響が懸念されるPFASについて、特に日本の水質汚染が報道されています。
給排水設備工事を担う私たち建設業者も、この問題を真摯に受け止める必要があります。
こうした中、環境省は有機フッ素化合物であるPFASを水道法上の水質基準の対象に定める省令改正を行うことを
明らかにしました。これにより、自治体や水道事業者に対し、定期的な水質検査が義務付けられるそうです。
この改正は、2026年4月1日から施行される予定です。

すでに一部の企業では、PFAS代替材料を用いた樹脂製バルブの開発が進められています。
私たちも、こうしたPFASフリー資材の活用を積極的に検討し、環境負荷の低減に努め、安全な水環境を
守る工法に取り組む必要性があるのだと思います。
持続可能な社会の実現に貢献できる施工を目指していきたいですね。

MM