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朝礼
2025.06.09

AIがベテランの経験を継承する未来

現在開催中の大阪・関西万博に、「null²」という少し変わった名前のパビリオンがあります。
メディアアーティストの落合陽一氏が手掛けたもので、体験者は自分自身の「デジタルな分身」と向き合うことになるそうです。

自分という存在をデータとして抽出し、客観的に見つめ直すこの試みは、ベテラン社員が持つ“経験”や“知恵”といった、言葉にしにくい価値を未来に残す大きなヒントを秘めています。
もし、経験豊富なベテラン社員の思考や判断基準、現場での無数の経験を学習した「AIアシスタント」がいたらどうでしょう。

例えば、原因不明の水漏れに悩む古い建物。ベテラン社員は、配管だけでなく、建物のクセや構造、過去の修繕履歴まで含めて総合的に原因を探ります。
この「AI」は、その思考をそっくり受け継ぎ、人間では見落としがちな微細なデータから「この年代の建物なら、この接合部に歪みが出やすい」といった、まさにベテランならではの視点で指摘をしてくれるかもしれません。
これは、意思決定が早くなるという話にとどまりません。これまで一人の人間の中にしか存在しなかった貴重な“暗黙知”が、組織全体の共有財産となり、技術として継承されていくということです。

AIに仕事を奪われる、という話ではなく、私たち一人ひとりが現場で培った唯一無二の知恵こそが、これからの会社の最も価値ある資産になる、ということです。
その貴重な経験を、どう未来へ受け継いでいくか。その意識を持つことが、これからの私たちに求められるのかもしれません。

引用元:大阪・関西万博シグネチャーパビリオン「null²」公式サイト
https://expo2025.digitalnatureandarts.or.jp/

ST