Blog ブログ

エコブログ
2025.12.26

給排水衛生設備工事における「本当のエコ」とは

給排水衛生設備工事における「本当のエコ」とは

1. 本当のエコの定義

給排水衛生設備工事における「本当のエコ」とは、単に環境に優しい素材を使うことだけではありません。
「無理なく、長く、全体として負担が減り、人も社会も一緒に持続できる状態をつくること」
これこそが真の定義です。
具体的には、「漏れない・詰まらない・早く壊れない」状態をできるだけ長く保つことが求められます。

2. 業界最大の環境破壊は「やり直し工事」

CO2削減よりも優先すべき最大のエコは、「やり直し工事が起きないこと」です。

環境負荷が大きい順序

1.漏水(緊急対応による部分解体)

2.詰まり(高圧洗浄の繰り返し)

3.短期(10〜15年)での再改修


これらが発生すると、以下の「3つの浪費」を引き起こします。

・材料の再消費

・廃材の増加

・人の時間とエネルギーの浪費

事故、クレーム、そして再工事こそが、最大の「非エコ」なのです。

3. 「本当のエコ配管」を実現する3つの要素

① 長寿命設計(未来への投資)

「今は大丈夫」という短期的な視点ではなく、将来を見据えた設計が必要です。

真のエコ偽のエコ(見せかけ)
30〜40年持つ管種の選定初期コスト最優先
腐食環境(赤水・異種金属)を事前に排除「とりあえず今は大丈夫」な設計
将来更新を前提にしたルート設計更新不能な隠蔽配管

「交換できる設計」にすること自体が、未来へのエコ投資となります。

② 水と圧力を無駄にしない(壊れない流れ)

エコ=節水器具の導入と思われがちですが、本質は「壊れない流れ」を作ることです。

過剰水圧の回避: 劣化や漏水を加速させる原因となります。

適切な勾配: 不適切だと詰まりが頻発します。

空気噛みの防止: 騒音や劣化の原因となります。

③ 壊す前に直す(予防保全)

エコな建物は、問題が起きてから対処するのではなく、起きる前に対処しています。

定期点検を前提とする。

・劣化の「兆候」で手を打つ。

・全交換ではなく、段階更新部分更新を計画的に行う。

・管理組合への可視化と説明を行う。

「予防保全」こそが、最大の環境対策です。

4. 建築全体における配管の重要性

建物の寿命を縮める要因として、構造や外壁以上に多いのが「給排水設備」の不備です。
つまり、「配管を制する者が、建物のエコを制する」と言えます。

5. これから評価される「本物のエコ企業」

今後、業界で評価されるのは以下のような提案ができる企業です。

・「何年持つか」を論理的に説明できる。

・施工後の建物の未来を語れる。

・「工事しない年」をつくれる提案ができる。



「工事を減らせる会社」こそが、本物のエコ企業です。

まとめ

建築・配管業界における本当のエコとは、以下の言葉に集約されます。

「壊れない・漏れない・更新できる建物を残すこと」

それは環境だけでなく、管理組合、住民、そして施工会社、全員を守るための取り組みです。

カンパネにとってのエコとは、一過性の環境配慮ではありません。「建物を長く使い続ける価値をつくること」そのものです。給水・排水管は建物寿命を左右する重要インフラであり、ひとたび漏水や再工事が発生すれば、それが最大の環境負荷となります。

カンパネは、長寿命配管の選定、更新可能な設計、そして予防保全を前提とした改修提案を行うことで、資材・廃棄物・エネルギーの無駄を根本から削減します。この取り組みは、単なる環境対策にとどまらず、管理組合の将来不安を取り除き、住民の安心と資産価値を守る行為でもあります。

「工事を減らすための工事ができる会社」であること。これこそがカンパネの定義するエコであり、顧客からの信頼と継続受注を生み出す最強のブランド価値です。