地球温暖化対策と聞くと、「森を守る」ことを思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかし実は、海にも二酸化炭素(CO₂)を吸収し、地球を冷やす力があります。
それが「ブルーカーボン(Blue Carbon)」です。
マングローブ林やアマモ場、塩性湿地など、海や沿岸の植物が光合成によってCO₂を吸収し、海底の土壌や泥に
長い時間ため込む仕組みを指します。陸上の森林に匹敵する、あるいはそれ以上の炭素を貯めることができるとも
言われています。
しかし、人間の開発や海の汚染によって、ブルーカーボンを支える自然は年々減少しています。
そこで私たちにできることを考えてみました。
まずは、海の自然を守る活動に参加することです。地域でのアマモの植え付けや干潟の清掃、マングローブ林の
保全活動など、身近な取り組みでも海の生態系を守る大きな力になります。こうした活動は、CO₂を吸収する
力を守るだけでなく、生き物たちのすみかや漁業資源の保護にもつながります。
次に、海を汚さない生活を心がけることも大切です。プラスチックごみを減らす、使い捨ての容器を避ける、
洗剤や油を川に流さないなど、日常の小さな工夫が藻場やマングローブの健康に直結します。さらに、
森や川を守ることも忘れてはいけません。陸からの栄養や水が海に届くことで、海の植物が元気に育ち、
CO₂の吸収力が高まります。陸と海のつながりを意識することが、ブルーカーボンの力を最大化する鍵です。
最近では、自治体や企業が行うブルーカーボンプロジェクトも増えてきました。横浜市ではアマモ再生活動や
沖縄のマングローブ保全など、地域の取り組みを支援することで、私たちもブルーカーボンの保全に貢献できます。
海は静かにCO₂を吸収し、地球の空気をきれいにしてくれています。ブルーカーボンを守ることは、未来の暮らしや
生き物のすみかを守ることでもあります。
「海を守ることは、地球を守ること」。今日からできる小さな一歩を、あなたの暮らしにも取り入れてみませんか?
DF